【絵本の紹介】「せんたくばさみがあつまって…」【466冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

たまには毛色の違った絵本も紹介していこうということで、今回は写真絵本。

「月刊かがくのとも」より、「せんたくばさみがあつまって…」。

作:さとうゆみか

撮影:ピーター・ルービン

出版社:福音館書店

発行日:2011年8月1日

 

単行本化されてなくて少々入手困難なのですが、月刊絵本かがくのともにはこうした隠れた名作が多いですね。

個人的に大好きなので取り上げました。

 

洗濯ばさみアート写真集とでもいうべき内容ですが、想像力を刺激される素敵な物語性も有した絵本です。

使う洗濯ばさみはオーソドックスな「A」の形のみですが、鮮やかな色を繋げていくとこんなにも美しい。

鳥?馬?魚?ヤマアラシ?

洗濯ばさみの表現力ってすごい。

本当に洗濯ばさみに命と意思があるように見えてきます。

ページをめくるたびに楽しい。

そして圧巻のラストは…。

なんと巨大な竜を作ってしまいます。

夕日をバックに空を飛ぶ洗濯ばさみ竜。

ため息が出るほど素晴らしい。

 

★            ★            ★

 

子どもの頃を思い出しますね。

家の洗濯ばさみで遊びましたねえ。

もちろん繋げたりして。

 

ひたすら同じように繋げていくと形状的にカーブしていって、いつかは切れちゃうんですけど、そこを工夫すると長くなったり円になったり。

この絵本ではさらに複雑な繋げ方をして動物や竜を表現しています。

色使いも見事。

 

子どもは何でも遊びの道具にすると言いますけど、洗濯ばさみはシンプルでありながら「挟む」という性能と独特のフォルムによって無限の想像力を働かせてくれるんですね。

うちの息子も洗濯ばさみでよく遊んでました。

思い切り遊ばせてやりたくてそのために大量の洗濯ばさみを用意したりしましたが、さすがに竜までは辿り着かなかったです。

途中で外れちゃう。

 

写真の竜はたぶん糸で吊ってるんでしょうけど、洗濯ばさみのピンチ力だけでは重量で外れそうな気がしますね。

接着剤も使ってるんでしょうか。

いずれにしても圧巻ですよね。

 

推奨年齢:5歳〜

読み聞かせ難易度:☆

洗濯ばさみの可能性度:☆☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「せんたくばさみがあつまって…

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「00冊分の絵本の紹介記事一覧

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

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【絵本の紹介】「だるまちゃんととらのこちゃん」【428冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今年は寅年。

なんて言うと今更感もありますが、新年度ということでお正月に紹介しそびれた「だるまちゃんととらのこちゃん」を。

作・絵:加古里子

出版社:福音館書店

発行日:1987年1月20日

 

2018年に亡くなられた日本絵本界の長老的存在、加古里子(かこさとし)さんの代表シリーズ第4弾。

これまでにも何冊か紹介しています。

 

≫絵本の紹介「だるまちゃんとてんぐちゃん」

≫絵本の紹介「だるまちゃんとかみなりちゃん」

≫絵本の紹介「だるまちゃんとうさぎちゃん」

 

前回の兎に続く今回のゲストは虎。

「とらのまち」に遊びに行っただるまちゃん、友だちのとらのこちゃんと一緒にスケールの大きなペンキ塗り・お絵描き遊びを展開します。

個人的にはシリーズ通して最も目に美しい作品だと思っています。

 

まずとらのまちの情緒が大好きです。

「かみなりちゃん」で登場した雲の上の未来都市もわくわくしましたが、こちらはいたって昭和的モダンな街並み。

広々とした通りに洋服屋や果物屋、パン屋に履物屋、本屋などのお店が軒を連ねていますが、店構えや看板のデザインがそれぞれ工夫が凝らされていて目に楽しい。

 

とらのこちゃんのおうちはペンキ屋さん。

とらのこちゃんはいかにも虎らしいやんちゃそうな目つきをした元気な男の子。

 

だるまちゃんとペンキ塗りやお絵描きをしたいということで、二人は竹林で黄色い土を、松林で赤い泥を掘って水を加え、手製のペンキを作ります。

このへんは最初のだるまちゃんがとらのまちへ遊びに行くカットですでに伏線が張られています。

さあ、それから二人は楽しく歌いながら松や竹にきれいな模様を描いていきます。

調子よく進んでいって、街中の歩道や車道、ポストなどにもペンキ塗り。

それを見た花屋さんが、自分の店にもきれいな模様を描いてほしいと頼みます。

 

とらのこちゃんはしっかりと自分の父親に仕事をあっせん。

ますます調子に乗った二人は建物の壁にもお絵描き、うっかり怖そうなおじさんの車にペンキをつけてしまいます。

叱られると思って怯える二人。

しかしこのおじさんはタクシー会社の社長で、自分の会社の車にも模様を描いてほしいと依頼します。

 

だるまちゃんもとらのこちゃんも、とらのこちゃんのお父さんも大喜び。

さっそく仕事に取り掛かります。

二人も今度は本物のペンキでお手伝い。

それにしてもイラストレーターとしての才能ありすぎ。

 

それを見た町中のお店から次々と仕事が舞い込んで大忙し。

最後はおいしいおやつとお土産に黄色いペンキをもらって、だるまちゃんも大満足で帰っていきます。

 

★                   ★                  ★

 

服が汚れることも塗料を零して叱られることも気にせず、塗りたいところに思い切り塗り、描きたいものを思い切り描く。

子どものお絵描き欲を最大に解き放ってくれるようなお話です。

 

まあ、だるまちゃんととらのこちゃんほど綺麗にデザインできる腕があれば叱られもしないとも言えますが。

 

作中に描かれる様々な格子模様や水玉模様や幾何学模様はひとつとして同じデザインはなく、限られた色しか用いていないのに実に鮮やかでカラフル。

自由で無限でありながら法則性を感じさせる美。

 

遊びの中に仕事の喜びや達成感をしっかりと盛り込んでいるところも仕事師・加古さんの流儀です。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

土のペンキ発色良すぎ度:☆☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「だるまちゃんととらのこちゃん

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【絵本の紹介】「びゅんびゅんごまがまわったら」【327冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回は自然豊かな田舎の小学校風景と昔ながらの遊びの描写がノスタルジーを刺激する傑作絵本を紹介します。

びゅんびゅんごまがまわったら」。

作:宮川ひろ

絵:林明子

出版社:童心社

発行日:1982年7月20日

 

挿絵はお馴染みの林明子さん。

初期のころの初々しい絵柄ですが、子どもたちの体の動きなどの的確さは流石です。

また、この作品では地面に映る木漏れ日の描写など、陰影が印象的です。

 

絵は当然のこととして物語、キャラクター、小道具、魅力を上げればきりがない作品ですが、まずは内容から入りましょうか。

舞台は「かえでしょうがっこう」。

二階建ての小学校に、広々とした校庭。

そして、通称「あそびば」と呼ばれている林。

 

そこには倒れた木の「いっぽんばし」があり、1年生の「こうすけ」は、そこで調子に乗って足を滑らせ、骨折してしまいます。

その事件来、遊び場には金網で遮られ、鍵をかけられてしまいます。

 

春になり、こうすけも2年生になりましたが、遊び場は依然封鎖状態です。

ここが大好きな生徒たちは残念でなりません。

責任を感じたこうすけは、新しい校長先生に直談判し、遊び場を開放してくれるよう懇願します。

が、この校長先生がなかなかの曲者。

せんせいは あまのじゃくだからね、たのまれると あけてやりたくなくなるのさ

と意地悪な返事をします。

 

そして机から取り出したびゅんびゅんごまをこうすけたちに分け、これを回せるようになったら頼みをきこうと言うのです。

さあ、こうすけたちは猛練習を始めます。

 

ところが、できたと思って校長室へ行くと、校長先生は2つ、3つと回すこまの数を次々増やしていきます。

その度にこうすけたちは練習を繰り返しますが、とうとう4年生の「くによ」はこまを投げて諦めてしまいます。

面白くない気分のくによは、おばあちゃんに教えてもらった柿の実で作った首飾りを、校長先生の机にそっと置いて行きます。

これは校長先生に対するちょっとした意地でやったのですが、校長先生は朝礼にその首飾りをかけて出てきたり、喜んでしまいます。

 

さて、こうすけたちはやっと3つ回せるようになりますが、校長先生は今度は4つ同時に回して見せます。

がっかりした「たかひろ」は、仲間をさそって竹馬の練習を始めます。

こまは諦めて、竹馬の名人になって、校長先生を驚かせてやろうというわけです。

それでもこうすけだけは4つのこまを回そうと頑張ります。

 

そして何日もたって、ついにこうすけは4つのこまを回すのに成功します。

生徒たちに囲まれて、校長先生は「ちょっとだけだぞ」と、遊び場の鍵を開けてくれます。

 

それから校長先生は職員会議でこのことを議題にし、再び遊び場は開放されることになりました。

すっかり校長先生と仲良くなったこうすけたちは今度は逆に校長先生に宿題を出します。

それは「さやぶえ」を吹けるようになること。

さてさて……。

 

★      ★      ★

 

校長先生の魅力的なこと。

今ではもうこんな先生はいないでしょうし、いたとしても様々な圧力によって潰されてしまいそうです。

 

昔はひとくちに教師と言っても、様々な人間がいたのでしょう。

今ではまるでコンビニの店員のようにマニュアルをこなすだけの教師しか生き残れない環境になってしまった気がします。

 

もっとも、型破りな教師を認めると、その一方で生徒に対し強権を振るうような有害な教師も出てきてしまうものかもしれません。

そのような教師は教育現場からはじき出されて当然ですが、同時に教師の「個」というものも破壊されてしまいました。

 

教育というのは難しい、人類の最大のテーマと言っても過言でないほどに難しいものです。

そこに携わる人間がどのように振る舞うべきかについての合意は、時代と共に変遷し、そしていつの時代も結論が出ません。

 

ある年齢の子どもたちにとって、親以外の大人との接触は非常に重要です。

かといって別にそれらの大人が完璧な人間である必要はないと思います。

 

教師と生徒の間にどのようなコミュニケーションが発生するのか。

問題はほとんどそれだけです。

そしてそれゆえに難題なのです。

 

しかし、この絵本には確かにその答えの一端があるように思えます。

 

この作品の学校のモデルになっているのは、群馬県高崎市立滝川小学校、東京都武蔵村山市立千川小学校の二校のようです。

ちゃんと現在も残っています。

この絵本のような穏やかでわくわくするような時間もまた、そこに残っていれば素敵だなと思います。

 

推奨年齢:5歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

校長先生のヘアスタイル奇抜度:☆☆☆☆

 

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【絵本の紹介】「あおいめくろいめちゃいろのめ」【324冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

昨年逝去された日本絵本界の長老・加古里子(かこさとし)さん。

「だるまちゃん」シリーズ、「からすのパンやさん」シリーズ、そしてたくさんの科学絵本。

 

加古さんの一切の妥協のない仕事によって完成された絵本はどれも子どもの心を捉えて離さないクオリティであり、私自身も子どもの頃に加古さん絵本に親しんできた一人です。

 

ただ、そんな面白い加古さん絵本の中にたった一冊、子どもの私にとってトラウマとなった作品が存在するのです。

それが今回紹介する「あおいめくろいめちゃいろのめ」なのです。

作・絵:かこさとし

出版社:偕成社

発行日:1972年12月

 

誤解のないように先に言っておきますが、全然怖い話ではありません。

加古さんらしい「遊び歌」がふんだんに盛り込まれた楽しい内容で、加古さんにはちょっと珍しい切り絵によるキャラクターも、シンプルでありながら表情豊かです。

 

私のトラウマについては後述するとして、先にざっと読んでみましょう。

あおい めの めりーちゃん

くろい めの たろーちゃん

ちゃいろの めの ばぶちゃん

が集まってかくれんぼを始めます。

ところが、鬼になっためりーちゃんは二人を見つけられず、しまいに怖くなって泣き出してしまいます。

そこでかくれんぼはやめにして、どろんこ遊びを始めます。

 

しかし今度は土の中から出てきた虫を怖がって、たろーちゃんが泣いてしまいます。

で、今度はしゃぼんだま遊び。

これもやっぱり、液を飲んでしまったばぶちゃんが泣きだして中止。

 

誰も泣かない、怖がらない遊びを三人で協議した結果、最後は電車遊びになります。

ところがくぐって行こうとした草やぶの中にハチの巣があったから大変。

三人ともハチに追いかけられ、刺されてしまい、大泣き。

 

泣いて泣いて泣いて、とうとう三人とも「あかいめ」になってしまいましたとさ。

 

★      ★      ★

 

加古さんは各地の遊び歌の研究をライフワークにされており、彼の絵本の中には遊び歌がたくさん登場します。

この作品はそんな一種の遊び歌絵本とも言えます。

 

そして子ども同士の遊びにもちゃんと存在する民主主義のような話し合い、役割分担、誰かが泣いたらおしまいというルールが描かれています。

加古さんが時代を越えて残したいと願ったものがここにあるのです。

 

そう、素晴らしい絵本なのです……が、子どもの私には、「めりーちゃん」「たろーちゃん」「ばぶちゃん」の円形のぐるぐるした目がどうしても不気味だったんです。

ときどき目が寄ったり離れたりする様子も爬虫類っぽくて。

 

極めつけはラストの泣きはらした赤い目。

涙が血みたいで、何とも言えない不安を呼び起こすカットでした。

 

すいません、加古先生。

でも、そんな子どもならではの様々なイメージを心に残すのも絵本の楽しみの一つかもしれません。

実際、怖がりながら何度もこの絵本を開いた記憶があります。

 

「あとがき」で、加古さんがこの絵本を作るに至った経緯を語ってくれています。

子どもの頃には見もしなかった「あとがき」を、大人になってから初めて読むというのも、絵本ならではの感慨深さがあります。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

今読んでも怖い度:☆

 

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【絵本の紹介】「だるまちゃんとうさぎちゃん」【306冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

去年から今年にかけ、私の大好きな絵本作家さんが次々と亡くなられました。

トミー・ウンゲラーさん、ジョン・バーニンガムさん。

そして、日本絵本界の長老的存在だった加古里子さん。

 

今回は加古さんの代表作「だるまちゃん」シリーズ第三弾、冬のお話を紹介しましょう。

だるまちゃんとうさぎちゃん」です。

作・絵:加古里子

出版社:福音館書店

発行日:1977年4月1日(こどものとも傑作集)

 

かなり久々の登場ですかね。

前2作の記事も併せてどうぞ。

 

≫絵本の紹介「だるまちゃんとてんぐちゃん」

≫絵本の紹介「だるまちゃんとかみなりちゃん」

 

てんぐちゃん」「かみなりちゃん」と来て今回は「うさぎちゃん」……。

わりと普通。

 

このシリーズは日本の伝説上のキャラクターや民芸品なんかが毎回登場するんですが、このうさぎちゃんも、日本のノウサギがモデルだそうです。

他シリーズのゲスト勢が個性的すぎて、どうしてもインパクトは弱いですが。

 

今回はだるまちゃんの妹の「だるまこちゃん」も大いに活躍します。

兄妹はスキーを楽しみ、雪だるまを作ります。

 

雪だるまの目にしたりんごが転げて、「うさぎちゃんと うさぎこちゃん」にぶつかって止まります。

だるまちゃんたちは一緒になって色々な変わった雪だるまを作って遊びます。

雪うさぎの作り方や、手袋を使ったうさぎ人形。

家に入ればナプキンやりんごや食器までうさぎ型にして遊びます。

お土産は新聞紙でうさぎの帽子。

最後までうさぎ尽くし。

 

★      ★      ★

 

様々な伝統的な遊びを紹介する「だるまちゃん」シリーズ中でも、この作品は特に最初から最後まで遊びの図鑑みたいな構成です。

どれも家ですぐに試せるものばかりで、我が家でも息子が手袋のうさぎ人形を作ってました。

 

加古さんは歌や絵遊びなど、日本に伝わる古い遊びの研究をライフワークにしており、ここに描かれたのはそのほんの一部でしょう。

それにしたって「丹下左膳」とか、もう今の子どもには馴染みがないどころか、親だって知らない人も多いかもしれません。

「座頭市」のほうは映画なんかでまだ知名度がありますが。

 

この作品に出てくるような遊びも、もう子どもたちもやらないし、そもそも誰にも教えてもらえないかもしれません。

何もない時代に、知恵を働かせて生み出した遊びを、下の世代の子どもたちに伝え、残していく。

そんな時代はもう終わってしまったのでしょう。

 

精巧に作られたおもちゃよりも、ただの棒一本、石ころ一つの方が、想像力を制限されない分、子どもたちは長く遊べたりするものです。

しかしそれも、電子ゲーム機には敵わないのでしょうか。

 

面白いでしょうしね。

しかも時間もかかるし。

さらに、面倒見る大人にとっても楽と言えば楽。

怪我も心配ないし。

 

しかしそれでもやっぱり、手間暇をかけて「遊び」を創造する仕方を覚えることは、大人になってからでも必ず役に立つことだと思うのです。

加古さんが未来の子どもたちに残そうとしたものの大切さを、もう一度考えてみたいと思うのです。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

だるまちゃん博識度:☆☆☆

 

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