【絵本の紹介】「14ひきのぴくにっく」【105冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

いよいよ春ですね。

「14ひき」シリーズより、この季節にぴったりの一冊を紹介します。

14ひきのぴくにっく」です。

作・絵:いわむらかずお

出版社:童心社

発行日:1986年11月15日

 

自然とともに生活する、ねずみの大家族の日常を描いた人気シリーズ。

以前、「14ひきのひっこし」で取り上げて以来ですね。

 

≫絵本の紹介「14ひきのひっこし」

 

きょうは、なんて いい てんき

みんなで、はるの のはらへ でかけよう

そんな提案があって、お弁当と水筒を持って、家族でピクニックへ。

 

小鳥のヒナが生まれ、ぜんまいが顔を出し、アマガエルが鳴く。

色んな春を見つけながら、広い野原まで歩きます。

たんぽぽのわたげを見送り、青空の下でお弁当。

 

★      ★      ★

 

相変わらず、自然の描写が美しい。

 

ただ「お弁当持って、野原へ」行くだけのことが、どんなお金をかけたレジャーよりも豊かに思えます。

いわむらさんの絵本を見るたび、なんだかうらやましくなってしまいます。

 

うらやましいなら、自分もやればいいんでしょうが、いざ春が来ても、

花粉が

PM2.5が

黄砂が

と、なんだかんだ気にして、結局屋内で遊ぶことになりがちな現代。

 

もっと子どもを外に出してやりたい、のは、都会に住む親の共通の想いかもしれません。

 

さて、この絵本の楽しみ方は、とにかく絵を隅々まで堪能すること。

色んなところに小さな生き物が隠れていたりして、それらを発見するたび、子どもと一緒に盛り上がれます。

 

14ひきそれぞれのキャラクターの行動を追うのもお約束。

 

今回はいっくんが手作りの縦笛で、ピクニックに音楽を添えています。

ろっくんは相変わらずのおっちょこちょいぶりを発揮。

 

また、見返しには春の草花が名前とともに描かれており、ちょっとした図鑑にもなっています。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆

植物の名前が全然わからなくて情けない度:☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「14ひきのぴくにっく

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「100冊分の絵本の紹介記事一覧

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絵本の紹介「はなをくんくん」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

立春を迎え、暦の上では春になったわけですが、まだまだ寒いですね。

今日は春を心から待ち望むこの季節にぴったりの一冊を紹介しましょう。

 

ルース・クラウス作、「はなをくんくん」です。

文:ルース・クラウス

絵:マーク・シーモント

訳:きじま はじめ

出版社:福音館書店

発行日:1967年3月20日

 

原題は「THE HAPPY DAY」。

春の幸せを描いた傑作古典ですが、白黒絵本は地味に映るため、手に取られない方も多いかもしれません。

 

印刷技術やコストとの戦いでもあった時代の絵本は、片面のみカラー印刷であったり、原画の色を再現できなかったり、様々な苦労があったようです。

 

が、この「はなをくんくん」は、あえて白黒を強みとした点で、実験的かつ革新的な作品なんです。

雪に閉じ込められた冬の森。

厳しい寒さの中、地面の下や木の中で眠る動物たち。

 

その暗く、冷たく、重い冬の描写が、白黒のタッチによって上手く表現されています。

 

ふと、ねずみやくま、りすやかたつむりまでが、「はなをくんくん」させて、起き出します。

そして、一斉に駆け出します。

大勢が向かって行った先には―――

一輪の、小さな黄色い花が。

うわあい!

ゆきのなかに おはなが ひとつ さいているぞ!

みんなが嬉しそうに騒ぎます。

 

★      ★      ★

 

そう、全編白黒の構成の中に、たった一色の黄色を、効果的に使ったのです。

これはクラウスさんとシーモントさん、どちらのアイディアでしょうね。

あるいは、先にこの黄色い花のアイディアが先にあって、絵本が出来上がったのかもしれません(おそらく、そうでしょう)。

 

春を待ちわびる気持ち、そして小さな「最初の春」を見つけた時の喜び。

それは人間も動物も変わりません。

 

シーモントさんの描く動物たちの表情豊かなこと。

非常に躍動的で、こちらの心まで弾んで踊り出しそうになります。

 

木島さんの訳も素敵なんですが、「やまねずみ」にわざわざ「ウッドチャック」とルビを振るなら、最後まで「ウッドチャック」で通して欲しかったような。

子どもに読み聞かせていて、「ん?」と怪訝な顔をされます。

ま、細かいことですが。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

かたつむりが苦手な人はちょっと注意度:☆

 

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絵本の紹介「あのね、サンタの国ではね…」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

クリスマス絵本特集第三回は、「あのね、サンタの国ではね」(原案:松本智年・一色恭子、文:嘉納純子、絵:黒井健、偕成社)を紹介します。

サンタクロース、現代の子どもたちはどのくらいまで信じているのでしょうか。

全然信じてなさそうですし、意外と信じてるような気もします。

 

子どもからの「サンタさん」に関する質問に、親がどう答えるかは永遠のテーマかもしれません。

子どもは結構現実的な整合性を求めています。

適当に答えればすぐに見抜きます。

 

これは、そういう子どもの納得感を満たす絵本です。

サンタクロースはクリスマス以外の日はなにをしているの?

という疑問に、1年12か月それぞれの過ごし方を紹介することで答えます。

 

サンタはやっぱり大勢いるようです。

世界中の子どもに一晩でプレゼントを配るんですものね。

 

そして、12月以外も、わりと忙しそう。

会議があったり、トナカイの訓練をしたり、そりの手入れをしたり。

面白いのは、プレゼントを畑で育てるところ。

サンタさんも、夏はバカンスを楽しみます。

 

秋から冬にかけて、いよいよ忙しくなってきます。

大きな仕事をする人は、ちゃんと準備も怠らないのだということですね。

こうして、みんなのもとへクリスマスプレゼントが届くのです。

 

子どもにとってはひとつの社会見学的絵本です。

読み終われば、自然と物に対する感謝の心も芽生えるでしょう。

 

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