【絵本の紹介】「いろいろバス」【110冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回紹介するのは、「いろいろバス」です。

作:tupera tupera

出版社:大日本図書

発行日:2013年5月20日

 

ネットショップで扱う商品を、私は勝手にカテゴライズしています。

けれど、本来、絵本を分類するのは野暮なことです。

 

特に、この「いろいろバス」などは、ひとつの分類棚に収まるような絵本ではありません。

のりもの」「いろ・かたち」「しかけ絵本」どれでもあって、どれでもない。

 

そんな細かいことはおいといて、とにかく楽しくって、子どもに人気の作品です。

 

赤・黄・緑などのバスが次々に登場しては、それぞれと同じ色のお客が乗降します。

 

あかい バスが やってきました

ごろごろ トマトが おりてきて

にゅるりと タコが のりました

ルールもわかりやすく、文章のリズムもよくできています。

 

切り絵風のイラストはとぼけた味があって、乗客をシルエットで見せる演出も見事。

それぞれに合わせた擬音もポイント高し。

 

そして最後には白・茶・ピンクなどのバスも集合して、終点で全員が降ります。

その数の多いこと、細かいこと。

「これって、なんだろ?」

と思う物もあり、探す楽しみ、推理する歓びも味わえます。

 

おまけに最終ページにもちょっとした仕掛けがあり、何度でも繰り返し読みたくなります。

 

すべてにおいて優等生な良書です。

それでいてオシャレ。

 

★      ★      ★

 

作者の「tupera tupera」(ツペラツペラ)とは、亀山達也さんと中川敦子さん(どちらも美大出身)によるユニット名です。

他の作品としては、あっと驚くしかけ絵本「しろくまのパンツ」(高価買取中!)が大ヒットしました。

 

絵本やイラストレーションをはじめ、工作・ワークショップ・舞台美術・アニメーション・雑貨など、様々な分野で幅広く活動しています。

人気も実力もある、注目のお二人です。

 

推奨年齢:2歳〜

読み聞かせ難易度:☆

センスの塊度:☆☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「いろいろバス

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「100冊分の絵本の紹介記事一覧

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〒578−0981

大阪府東大阪市島之内2−12−43

URL:http://ehonizm.com/

E-Mail:book@ehonizm.com

絵本の紹介「かおかおどんなかお」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

赤ちゃんの成長過程というものは本当に興味深いものがあります。

個人差があるからなおさら、うっかり観察を怠っていると、「いつのまに?」なことがしょっちゅう起こります。

 

よく見ていてもわからないのは、いったいどの時点で人の顔を認識、識別できるようになったのかです。

赤ちゃんって、人の表情パターンを、経験の累積で記憶するのか、それとも本能的に表情から感情が読み取れるんでしょうか。

 

小さな赤ちゃんでも、お母さんが泣いたら泣くし、笑ったら笑いますが、あれって単に模倣しているだけなんでしょうかね。

 

さて、今回紹介するのは「かおかおどんなかお」です。

作・絵:柳原良平

出版社:こぐま社

発行日:1988年1月10日

 

単純化した輪郭・目・鼻・口のパーツを使って、様々な表情を見せる絵本。

たのしい かお

かなしい かお

わらった かお

ないた かお

……。

あまーい かお

とか

からい かお

なんてものも。

じーっと見ているうちに、子どもは自分の顔を使って百面相を始めます。

 

本当に不思議なんですが、目の動きとか、微妙な口の動きとか、どうして見ただけで動かし方までわかるようになるんでしょうね。

子どもの真似をする力というものはすごいものです。

 

うちの息子は、よく鏡の前に立って何分もじっとしていることがあります。

何をやってるのかと思って覗くと、ひたすら表情の研究(?)をしているようなのです。

 

そのくせ、カメラを向けると、なかなか素直に笑ってくれないんですがね。

 

やっぱり人間、表情豊かに生きた方がいいですね。

 

推奨年齢:0歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆☆(色んな顔をいっしょにやる必要があります)

顔の筋肉痛度:☆☆

 

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絵本の紹介「なんのいろ ふゆ」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回紹介するのは「なんのいろ」4部作シリーズより、「なんのいろ ふゆ」です。

作:ビーゲン・セン

絵:永井郁子

出版社:絵本塾出版

発行日:2009年9月15日

 

作者のビーゲン・センさんのことを、私は最初外国人の方だと思ってました。

実はこの方、図書館流通センター(TRC)の元・社長さんで、退任後に「絵本を通して子どもたちと社会の絆を」と、絵本塾出版社を設立し、自ら「なんのいろ」「なんのおと」などのシリーズを手掛けるという、異色の絵本作家さんなんです。

 

ビーゲン・センはペンネームで、おそらく本名(尾下千秋)の音読みでしょう。

 

このシリーズの特徴は、あるものをそれぞれの色ごとにばらばらに描き、それを次のページで融合させ、本来の形を見せるというもの。

冬にちなんだ様々なもの(サンタ、ゆきだるま、鏡餅、節分の鬼など)が登場するので、シリーズを通して、四季の行事を知ることもできます。

「めそめそいろ」「うれしいいろ」などの表現で、色の持つイメージや効果について、幼児の想像力を膨らませるねらいもあります。

 

画家の永井郁子さんは、寺村輝夫御大とのコンビで「わかったさんのおかし」シリーズや「かいぞくポケット」シリーズなどを手掛けた人気作家さん。

この作品ではコンピューターグラフィックも用いています。

キャラクターがとても可愛らしく、自身は全国で絵本の読み語りイベントを行っています。

 

また、経営者としてのビーゲン・センさんは、絵本をスクリーンに映し、オリジナル曲の演奏を行う絵本ライブなどの企画を催したり、それらのDVD化を進めたりと、「絵本の未来」に対し、なお様々な取り組みを試みています。

 

推奨年齢:0歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

作者のバイタリティ度:☆☆☆☆

 

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