【絵本の紹介】「きつねのかみさま」【179冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

絵本にはたくさんの動物が登場します。

むしろ、人よりも動物の方が多いんじゃないかと思います。

 

中でも人気はねずみ、ぞう、くま、うさぎ、ねこでしょうか。

彼らが主役を務め、脇を固めるのがいぬ、ぶた、たぬき、きつね……というパターンが多い気がします。

もちろん、その他の動物絵本もたくさんありますけどね。

 

しかし、きつねというのは、あまり主役を張らせてもらえないばかりか、昔話などではたいてい悪役、もしくはちょっと狡猾なキャラクターを割り当てられることが多い不憫な動物です(悪役から主役にのし上がったゾロリみたいなのもいますが)。

 

同じグループに属するはずのたぬきは、わりと好意的に描かれることが多いので、なおのこと不公平感はぬぐえません。

海外でもそのあたりの事情は変わりませんが、あちらでは単なる「嫌われ者」のきつねですが、日本では忌み嫌うと同時に畏怖の対象でもあり、お稲荷さんのように神様の使いとも考えられています。

 

今回紹介する「きつねのかみさま」は、私はそのタイトルからして、最初は地方民話的なお話かと思ったものです。

作:あまんきみこ

絵:酒井駒子

出版社:ポプラ社

発行日:2003年12月

 

予想はまったく外れでした。

おどろおどろしいところは一つもなく、とっても優しい気持ちになれる素敵な物語です。

きつねも可愛いし。

 

作者のあまんさんは、児童文学作家として数々の名作を生み出し、その中には教科書採用され、世代を超えて読み継がれている作品も多いです。

あまんさんの作品は常に過不足がなく完成されており、その文章は物凄く上品で、教科書用に好まれるのも頷けます。

 

その一方、「教科書作品」のイメージが強いために、どこか古風な定型の童話という先入観を持ってしまう大人の読者もいるかもしれません。

そうしたイメージを、酒井さんの現代的で洗練された絵が一掃しています。

これはなかなかの名タッグかもしれません。

 

実際、文だけを追うと昭和的な匂いもするのですが、冒頭の「りえちゃん」の家のカットだけで、一気に「今のお話」と思えてしまうのだからすごい。

今や「大人女子にも読まれる絵本」と言えば必ずその名前が挙がる酒井さん。

きつねの可愛さは、彼女の画力に依るところも大きいです。

 

前置きが長くなりましたが、内容に入ります。

なわとびの紐を公園に忘れたことを思い出したりえちゃん(文中では「あたし」の一人称)は、急いで取りに戻ります。

弟のけんちゃんもついてきます。

 

公園に来ましたが、紐は見つかりません。

その時、楽しそうな笑い声や歌声が聞こえてきて、覗いてみると、子ぎつねたちが縄跳びをしています。

きつねたちに誘われて、りえちゃんたちも縄跳びに加わります。

きつねに跳び方を教えてあげたりして、楽しく遊びます。

 

そこでりえちゃんは、縄跳びの取っ手に書かれた自分の名前に気づき、これが自分の忘れて行った紐であることを知ります。

遊び終わって帰る時、りえちゃんが紐が自分のものであることを言おうとすると、小さい子ぎつねが得意そうに、

それ、あたしのよ

と言います。

 

縄跳びがしたいと「きつねのかみさま」にお祈りしていたら、その紐が木の枝にかけてあったのだ、と言うのです。

そしてその証拠に、自分の名前まで書いてあることを示すのです。

なんと、この子ぎつねも「りえちゃん」だったんですね。

りえちゃんは何か言おうとする弟を慌てて遮り、きつねたちにさよならします。

 

帰り道で、けんちゃんは笑って、

そうかあ。おねえちゃんは、きつねのかみさまだあ

と言います。

子ぎつねのりえちゃんの嬉しそうな顔を思い出して、りえちゃんも一緒に笑います。

 

★      ★      ★

 

縄跳び遊び。

今の子どもたちも、やるんですかね。

 

公園に行っても、あまりそういう遊びを見かけなくなった気がします。

公園でまで電子ゲームに興じてたり。

 

おおなみ こなみ ぐるっと まわって きつねのめ

で、「ねこのめじゃ ないの?」というくだり、通じるんでしょうか。

 

でも、通じないからやめとこう、ではなく、昔ながらの遊びはどんどん絵本に登場させて欲しいと思います。

そこから興味を持つ子どもたちが出てくるでしょうから。

 

いくら絵本が時代とともに進化するものだとしても、私としては、絵本の中にまで電子ゲームを持ち込んで欲しくはないのです。

古いかもしれませんけど。

 

酒井駒子さんの他の記事≫絵本の紹介「ぼく おかあさんのこと・・・」

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

仲良し姉弟の微笑ましさ度:☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「きつねのかみさま

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「100冊分の絵本の紹介記事一覧

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【絵本の紹介】「にこにこエマ」【178冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回はスウェーデンから来た可愛い絵本「にこにこエマ」を紹介します。

作・絵:グニラ・ヴォルデ

訳:椿原奈々子

出版社:童話館

発行日:2007年2月

 

17×16センチくらいの、小さな絵本です。

「エマ」という女の子が主人公。

他に、「ピーター」という男の子が主人公の関連作もあります。

 

ストーリー仕立てではなく、ただいつものエマの様子をありのままに描いただけの絵本です。

しかしそれは、子どもというものの「ありのまま」の姿でもあります。

 

淡々とした描写の中に、世の親たちが自分の子を見ているような気持ちにさせられるような、普遍的な力があります。

重い障害を絵本の読み聞かせによって救われたクシュラさんも、この絵本が大好きだったそうです。

 

≫クシュラの奇跡

 

いつもは、エマは あしに ズボンを はきます

でも、ときには、あたまに ズボンを かぶりたくなります

左のページには「いい子」の時のエマ。

右のページには、時折姿を現す、いたずらで利かん気なエマが描かれます。

読んでいくうちに、不思議と子どもに対して寛容な気持ちになってきます。

子どもを「そういうもの」として受け入れ、認めることができるようになるのです。

 

★      ★      ★

 

左のページだけを追って読んでみると、ただいい子なエマの日常絵本として読めます。

そういう絵本は実際にあるし、絵も可愛いので、特に違和感なく読めたりします。

 

しかし、それは子どもに「こうあって欲しい」という、大人側の願望であって、子どもの方ではエマに親近感を持つことは少ないでしょう。

かつて絵本が教材的に捉えられてた時代においては、そうした模範的な子どもだけしか登場しない絵本が多くありました。

 

でも、現実の子どもは、そんなにいい子ではありません。

彼らはまだ感情のコントロールが未熟だし、自己中心的だし、理性が未発達で、衝動的です。

しかしそれは大人にとっては眉をひそめる性質であっても、「悪」と呼ぶようなものではありません。

 

ただ、「そういうもの」なのです。

そしてそれらの幼児性は、自然な成長とともに消えていきます。

 

が、たまに幼児性を克服できず、そのまま大人になってしまった人間も見かけます。

そうなると、同様の特徴でも、これはとても見るに堪えない醜悪な性質になります。

 

ゆえに、子どもが幼いうちから「しっかりとしつけ」ることが大切、とやかましく言う大人たちが増えるわけです。

しかし、そういう「しつけ」は、行う側によっぽどの注意深さと反省力と観察力が伴わなければ、単なる抑圧に終わってしまう危険性が大です。

 

「厳しいしつけ」のつもりが、条件反射的に怒っているだけだったり、ただもう「自分の意にそぐわない」ことを子どもがした瞬間に𠮟りつけたり。

 

「信じて、待つ」ことはとても難しいことです。

そして「待つ」とは何もしないで放置することではありません。

焦らずに子どもの成長を見極め、その場その時に相応しい方法で適切に対応することです。

マニュアルがあるわけでもありません。

 

大人だって完璧なわけじゃないから、疲れてしまうし、イライラしてしまうこともあるでしょう。

そんな時に、手に取って欲しい一冊です。

 

推奨年齢:2歳〜

読み聞かせ難易度:☆

共感度:☆☆☆☆☆

 

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【絵本の紹介】「きょうはなんのひ?」【177冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

先日、林明子さんの絵本原画展へ行きました。

 

≫林明子原画展へ行ってきました。

 

林さんの作品の素晴らしさを再確認して帰ってきましたが、今日は彼女の絵本の中でも、最高に幸せになれる一冊を紹介しましょう。

きょうはなんのひ?」です。

作:瀬田貞二

絵:林明子

出版社:福音館書店

発行日:1979年8月10日

 

文は絵本界の重鎮・瀬田貞二先生。

数々の名作絵本の翻訳を手掛け、絵本というものを知り尽くした瀬田さんによる、渾身の物語。

 

日常の中のドラマ、家族間の絆、優しい気持ち……。

それらに、謎解きの要素を加えて練り込んだストーリー。

 

もちろん、林さんの絵の魅力も最大限に発揮されています。

ほら、表紙絵からすでに物語は始まっています。

 

食事中の両親を窺うように、後ろ手に赤い紐のついた包み紙を持ち、こっそり居間を横切る女の子。

続く扉絵では、女の子がその手紙のような包みを、父親の上着のポケットにそっと忍ばせています。

 

そして、まみこという女の子は、

おかあさん、きょうは なんのひだか、しってるの?

と、玄関を出るときに母親に尋ねます。

しーらないの、しらないの、しらなきゃ かいだん 三だんめ

と歌いながら、学校へ行ってしまいます。

 

お母さんが階段を見ると、赤い紐を結んだ手紙(表紙絵でまみこが持っていたものと同じ)が置いてあります。

ケーキのはこをごらんなさい

ここから、謎解きスタート。

これはまみこが仕掛けた一種の「宝探しゲーム」なのです。

お母さんは手紙の指示する場所へ行っては、次の手紙を見つけます。

傘立ての中、まみこの部屋の本棚、庭の池、花瓶……。

中には結構難しい隠し場所もあって、読者も一緒に絵の中の手紙を探すことになります。

 

最後の手紙は、お父さんの上着のポケットの中。

扉絵でまみこが忍ばせていたのはこれだったのですね。

 

お母さんはお父さんに電話して、手紙を読んでもらいます。

夕方、お父さんはバスケットをさげて帰宅。

お母さんとお父さんはまみこの前で、郵便箱に届いていた包みを開きます。

 

すると中には、まみこから両親への素敵なプレゼントが。

 

そして、お父さんからもまみこへプレゼントがありました。

それはバスケットの中の子犬。

まみこは大喜び。

 

そして最後のページで、まみこの手紙の「もうひとつの仕掛け」が明らかにされます。

 

★      ★      ★

 

アイディア・構成・文章の素晴らしさは言うに及ばず、林さんの細部にわたる家の中の描写が、物語にリアリティを吹き込んでいます。

この作品が発行されたのはもう30年以上昔のことですから、描写がリアルである分、時代を感じることもあります。

昼休みに、夫の会社に黒電話で電話を掛ける妻の姿とか。

 

絵を隅々まで見ると、新たな発見や楽しさが生まれてくる作品です。

階段に手紙と一緒に置かれていた犬のぬいぐるみは、まみこの机にあったものです(ちなみに、林さんはこのぬいぐるみも実際に作ったそうです)。

まみこの部屋に落ちている折り紙の切れ端は、きっとプレゼントを作った時に出たものでしょう。

まみこが一番好きな絵本は、「マドレーヌといぬ」で、これも瀬田貞二さんの翻訳による絵本で、一種の遊びですが、前述のぬいぐるみと共に、まみこが犬好きであることを示唆しています。

 

それにしても、まみこの笑顔の反則級の可愛さといったら。

こんな大掛かりなプレゼントを、まみこはきっと両親の喜ぶ顔を思い浮かべながら用意したのでしょう。

子を持つ親としては、思わず涙が出そうになります。

なんていい子。

 

けれど、この話が素晴らしいのは、まみこが自主的に楽しんでこの遊びを仕掛けたことです。

最近、幼稚園や学校で、先生方の指導の下、「両親への感謝の手紙」なんてものを書かせる行事があるそうですが、はっきり言ってそれは違うだろ、と思います。

 

この絵本の素敵な夫婦が最高に幸せな贈り物をもらえるのは、彼らが娘に対し、惜しみない愛情を注いだ結果です。

そしてこの夫婦は、きっと、娘からの見返りなんて何一つ求めていなかったのだと思います。

その証拠に、両親は自分たちの記念日に、娘に対するプレゼントを考えていたのです。

 

互いが互いを思いやる、まさに絵に描いたような幸福な家庭。

時代は変わっても、こんな気持ちは変わらずに続いて行って欲しいと願います。

 

推奨年齢:5歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

まみこの天才度:☆☆☆☆☆

 

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【絵本の紹介】「どんどこももんちゃん」【158冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

我が家では息子が最後半年ごろから本格的な絵本の読み聞かせを始めましたが、今、世間では絵本の「はじめて年齢」はどんどん下がっています。

 

≫読み聞かせはいつから?

 

それに応じて、赤ちゃんの認識しやすい色や輪郭のはっきりしたカット、耳に残りやすいリズムの文や擬音を用い、丈夫な紙での製本などの工夫を凝らした「赤ちゃん絵本」なるジャンルが確立されました。

今やもう、「うさこちゃん」シリーズなどは、「子どもがはじめてであう絵本」とは呼べないような気がします(あの話、結構深いですしね)。

 

≫絵本の紹介「ちいさなうさこちゃん」

≫絵本の紹介「うさこちゃんとうみ」

 

しかし、対象年齢を下げることは即ち単純化志向となるわけで、それはそれで面白いんですが、読み聞かせる側の大人にとっては少々物足りなさを感じることは事実です。

けれど今、お母さん方にも大好評の「赤ちゃん絵本」シリーズがあるのです。

 

それが今回紹介する「どんどこももんちゃん」を第一作とする「ももんちゃんあそぼう」シリーズです。

作・絵:とよたかずひこ

出版社:童心社

発行日:2001年9月20日

 

桃がおむつをはいたようなキャラクター「ももんちゃん」。

2001年に始まって、現在既に18作品も刊行されているという驚異のスピード。

 

人気の秘密は、何と言ってもももんちゃんのキュートさ。

「うちの子にそっくり!」という声が多く寄せられているそうで、異色ながらもどこか普遍的な「赤ちゃんの可愛さ」を描いており、そこが親の心を捉えているようです。

 

この作品が異色である点は、赤ちゃんでありながら、走り、跳び、クマと相撲を取るなどの、ももんちゃんのスーパーベイビーっぷりです。

それでいて、確かに「赤ちゃんらしさ」を捉えている。

 

それは赤ちゃんの持つひたむきな「生命力」そのものの強さを描いているからではないでしょうか。

どんどこ どんどこ

ももんちゃんが いそいでいます

 

シンプルな画面と、リズミカルで口ずさみやすい文。

ちゃんと「赤ちゃん絵本」の条件は押さえています。

 

ただ、「ももんちゃんが急いでいる理由」を伏せているのは、大人も楽しめるようにとの工夫でしょう。

 

ももんちゃんはまっすぐ前を見て、わき目も振らずに駆けて行きます。

余計なものが一切描かれていないことで、ももんちゃんのひたむきさが伝わりやすくなっています。

 

ももんちゃんはあらゆる障害を意にも介さず、急ぎ続けます。

丸木橋を渡り、坂を上り(ちゃんとはいはいになっている辺り、やっぱり赤ちゃんです)、クマがとおせんぼしていても……。

このパワー。

赤ちゃんだけが持つ純粋な目的への衝動力を表現しています。

 

下り坂で転んでしまうももんちゃん。

頭を打って、さすがに目に涙を浮かべますが、それでも走り続けます。

クライマックスで大きくジャンプ。

その先には……。

 

★      ★      ★

 

このラストシーンで明かされるももんちゃんの急いでいた理由が、お母さん方のハートを打つのですね。

思わず涙してしまうお母さんもいるとか。

 

作者のとよたさんによると、ももんちゃんは男の子で、母子家庭という設定だそうです。

何となくももんちゃんを女の子だと思う読者が多いそうで(私も女の子だと思ってました)、どうしてかはわかりませんが、やっぱり女の子の方がパワフルなんですかね。

 

とにかく一度声に出して読んでみれば、この絵本の楽しさがわかります。

子どもが絵本を楽しむためには、まず読み聞かせる大人が絵本を楽しむこと。

それを大いに助けてくれるシリーズです。

 

推奨年齢:0歳〜

読み聞かせ難易度:☆

裏表紙カットのほっこり度:☆☆☆☆☆

 

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【絵本の紹介】「かばんうりのガラゴ」【157冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回紹介するのは「かばんうりのガラゴ」です。

作・絵:島田ゆか

出版社:文溪堂

発行日:1997年11月

 

カナダ在住の日本人作家・島田ゆかさんによる「バムとケロ」に並ぶもうひとつの大人気シリーズです。

 

≫絵本の紹介「バムとケロのにちようび」

 

ユニークで可愛いキャラクター、遊び心満載のイラスト。

そして他の島田さん絵本との関連を探すのも楽しみの一つです。

 

ガラゴは たびする かばんやです

いつも みぎとひだり いろのちがう くつをはいて

かばんを うってあるきます

という設定。

さて、このガラゴのかばんですが、もちろんただのかばんではありません。

様々なお客さんの要望に合わせてガラゴが用意するのは、どれも変わった機能を持つ面白かばん。

 

犬の兄弟になるかばん、ライオンのたてがみになるかばん、ピアノのかばん、やかんのかばん……。

もはや「かばん」である必要について考えてしまうくらい、何でもありの品ぞろえ。

 

そして、お客さんは誰一人お金を払いません。

すべては物々交換によって取引されるわらしべ長者的システム。

それらのアイテムが、ちゃんと後々役に立っているところも見逃せません。

ライオンが置いて行ったスイカはガラゴのおひるごはんになり、残った皮はおたまじゃくしの水槽になります。

 

夜になると、ガラゴは自身のかばんをベッドにして眠ります。

 

★      ★      ★

 

ガラゴのモデルはアフリカに生息する「ショウガラゴ」(ブッシュベイビーとも)というサル科動物だと思います。

 

この絵本の楽しみは、とにかく絵の隅々まで見ること。

これに尽きます。

 

かばんの仕掛けはもちろん、ガラゴと行動を共にする小さな白いイヌとウサギを探したり、ガラゴの表情と同調するマグカップや、時々動く犬の写真(バム?)、本当に細かいところまで遊びが詰まっています。

 

また、「バムとケロ」シリーズとの関連を匂わせる描写もあり、他の島田さん作品を通読することによる新たな発見も。

こういうのは絵本作家のファンサービスと言えるでしょう。

 

あまりここで一つ一つ挙げていくのは野暮なので、ぜひ自分で探してみて欲しいのですが、ひとつだけ。

ここに登場するカエルのお母さんは、「バムとケロ」のケロちゃんの母親っぽいのです。

ということは、ガラゴについてきたおたまじゃくしは……?

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

探し絵の楽しみ度:☆☆☆☆☆

 

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