「情操教育」と簡単に言うけれど

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

もうひと月もすれば、我が家の息子も4歳になります(そして、当店も一周年を迎えます!)。

相変わらず生活リズムは不規則で(多少はましになってきましたが)、おむつも外れないし、食わず嫌いは多いし、悪戦苦闘しております。

 

しかし、読書量だけは同年齢の子どもよりも突出していると思います。

最近は宇宙や星に関する本がお気に入り。

写真は、グランドキャニオンが地球儀上に表記されていないことを訝しむ息子。

 

また、キノコの生態とか、世界各国の国旗とか、下水の処理法とか、息子の知識欲は多岐に渡っています。

おかげで私自身、ずいぶん色んなことを知りました。

たぶん、SLが何の略とか、息子が生まれなければ一生知ろうともしなかったと思います(Steam Locomotiveの略だそうです。息子に教えてもらいました)。

 

生後半年から絵本の読み聞かせを始め、1000冊でも2000冊でも、何十回でも何百回でも……という我が家の読み聞かせ育児法は、仕方のないこととはいえ、あまり理解されません。

夫婦お互いの両親にさえ、反対こそされなくとも、奇異な目で見られています。

 

≫3歳までに絵本を1000冊読み聞かせたら

 

私たちのやっていることを「早教育」と呼ばれることに異論はありませんが、「主知的」だと思われるのは困ります。

私は今までただの一度も、息子に絵本を強制したり、知識を教え込もうとしたりしたことはありません。

 

知識面の発達はただの「おまけ」です。

結果としてそうなっただけです。

 

何度も書いてきたことですが、私は息子に「内的に自由な人間」に成長して欲しいと願っています。

そのために、知識よりも感情の発達を重視しています。

 

≫「自由な子ども」を育てるということ

 

「情操教育」こそが育児にとって重要である、という声は年々大きくなっているように感じます。

しかし、本当に人間にとっての「感情」の重要性を理解している人はどのくらいいるのでしょう。

 

「知識」や「技能」は数値化しやすく、目に見えやすく、「他の家の子ども」と比較しやすいものです。

英語が話せるとか、計算ができるとか、ボールを遠くまで投げられるとか、水泳が得意だとか、我が子にそういう抜きん出た能力があると、親はもちろん嬉しいし、誇らしいものです。

 

一方、「優しさ」とか「思いやり」とか「正義感」とか「勇気」とかの人格的長所が子どもに備わっていたとしても、そんなものは親以外には全然興味を示されないことがほとんどです。

大体、「うちの子はすごく優しいの!」とか人に言ったら、良くて「一刻も早くこの場を立ち去りたい」くらいにしか思われないでしょう。

 

結局、親自身も無意識化では、「感情の発達」なんていうはっきり序列化できないものよりも、社会において「武器」となり得る個人的能力の発達に重きを置いているのが今の時代の現実ではないかと思います。

自慢できますしね。

 

そしてもう一つ、「感情」という人間器官について、親もいまいち理解していない状態で「情操教育」という言葉だけを先行させている空疎さを感じます。

 

勘違いされてる方が多いですけど、「感情豊か」とは、「喜怒哀楽を前面に押し出す」ことではありません。

それはただのオーバーリアクションです。

 

その人の内面において、感情がどれくらい細分化されているか。

たとえば「楽しい」のか「愉しい」のか、「喜び」なのか「歓び」なのか「悦び」なのか。

そしてその感情を、どれくらい正確に本人が把握しているか。

自分を客観視し、コントロールできているか。

 

それが共感する力、想像する力、理解する力へと繋がっていきます。

そしてこれは非常に重要なことですが、子どもが健全に感情を発達させていけば、必ず「真・善・美」を自らの内に見出します。

押し付けられた道徳観などではなく、内面から輝く力です。

 

ここでは長くなり過ぎるので端的な表現になりますが、子どもは教えられずとも美しい法則性を好みます。

幼い子どもは悲しい話を嫌い、ハッピーエンドを望みます。

「この世は美しくあるべきであり、人間は幸せに生きるべきである」と、無意識の奥で感じているからです。

これは国籍人種関係ありません。

 

「感情の発達」なんて誰でも同じようなもの、と思ったら大間違いです。

目には見えにくいけれども、発達レベルの差は確実に存在します。

そしてその差は、年齢を重ねるごとに、いかんともしがたいほどの開きとなってしまいます。

 

世の中の大人を見渡せばわかるでしょう。

いくら知識を詰め込んでいようが、心が未熟なままでは、それは死んだ知識です。

そういう大人はもう、自己を成長させることを止めてしまっています。

 

短気であったり、頑固であったり、極端に悲観的であったり、嫉妬深かったり……。

そういうのは「個性」とは違います。

ただ、感情が健全でないだけです。

 

真の個性とは、正しく感情を発達させた先に生まれるものです。

 

ことほどさように大切な「情操教育」ですが、そもそも育児というものは一面的ではなく、本来はすべてが繋がっているものです。

正しい方法で臨めば、「知識だけ」「体力だけ」「心だけ」を伸ばすような結果にはなりません。

 

だから、感情を大切にしてやれば、自然と知識欲は溢れ、それを満たしてやれば心も満たされ、身体も健康になり、思考も聡明になり……と、全部は関連して循環します(逆も然り)。

 

しかしそれを実践しようと思えば、どうしても障害として立ち塞がるものがあります。

 

それは他ならぬ、親自身の「感情の未発達」です。

 

何と言っても、子どもに最も影響を与えるのは育ての親の性格であり性質です。

聖人でもない限り、完璧な方法で子どもに接することは到底できません(それでも、少しずつでも良くなっていくことが大事なんですがね)。

 

もちろん私とて凡庸な人間であり、聖人には程遠い愚人です。

だから私は育児において、絵本に頼るのです。

 

何度でも言いますけど、絵本の読み聞かせの効用とはすばらしいものです。

ほとんど無敵です。

 

上で述べたように「自分の感情を細分化する」ことは、まず感情を表す「言葉」を持たなければできません。

語彙が貧弱だと、感情も貧弱になります。

絵本は豊富な「言葉」を与えてくれます。

 

「共感する力」や「想像力」や「理解力」は、「物語」を通すことで飛躍します。

絵本には様々な物語が溢れています。

 

芸術は「真・善・美」に近づくためのものです。

絵本は美術作品でもあります。

 

そして何よりも、読み聞かせは最高のスキンシップとなります。

 

こんなメリットしかない情操教育を、たまにしかやらない(もしくは全然やらない)なんて、もったいなさすぎると思いませんか?

 

というわけで、私は「いつでも、何度でも」の読み聞かせをしているのです。

みなさんにもぜひ、この幸せな(大変ですけど)経験をしてもらいたいと思います。

その際には、当店で絵本を購入していただければ幸いです(宣伝)。

 

ところで、散々偉そうなことを書いてきて、お前の息子はどう育ってるんだと聞かれると、なんというか、その。

しかし、情操教育には時間も必要だと思うのです。

目には見えない子どもの深い部分で、じっくりと芽を出すのを待つことができなければなりません。

開き直りじゃありません。

けっして。

……。

 

さて、長々とした記事になってしまいましたが、最後にお知らせ。

明日8/11から8/16まで、当店は出荷作業をお休みさせていただきます。

注文メールや問い合わせメールに関しましては常時受け付けております。

 

お盆休みは息子をプールデビューさせようと思っていますが、果たして楽しく遊べることやら。

 

 

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「100冊分の絵本の紹介記事一覧

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