【絵本の紹介】「14ひきのもちつき」【356冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

ねずみ年最初の絵本紹介は、大人気「14ひき」シリーズより「14ひきのもちつき」です。

作・絵:いわむらかずお

出版社:童心社

発行日:2007年11月

 

ねずみを主役にした絵本って、国内外問わず本当に無数にあるんですけど、それだけねずみが人間の暮らしに近しい生き物だったってことでしょうか。

今ではもう、屋根裏をねずみが走り回るなんて家はなかなかないでしょうけど、昔は当たり前のように家にねずみがいたんですよね。

 

私は子どもの頃に祖母の家で「ねずみの音」を聞いた記憶があります。

私はびっくりしましたが、祖母は何でもない様子でした。

彼らねずみたちは人間の家に間借りして生活しているわけです。

そこで彼らがどんな生活をしているのか、何を話しているのか……想像し出すと楽しいものです。

そうは言っても、もし今実際に我が家にねずみが出たら即駆除しますけど。

 

「14ひき」はそうした懐かしい日本の暮らし、自然の中で地に足を付けた生活というものを思い出させてくれるシリーズです。

今回はタイトルどおり「おもちつき」。

今の子どもたちは餅つきに使う道具や手順など何も知らないのではないでしょうか。

そういう私も知りません。

 

いわむらさんの丁寧でぬくもりのある描写によって、14ひきたちがもちつきの行程を余すところなく見せてくれます。

お米の下準備から、臼の下にしくわらの座布団まで。

例によって兄弟たちはそれぞれのキャラクターに合った行動をしています。

家族全員での大作業。

おもちつきはこんなに手間がかかるからこそ楽しく、そしておいしい。

食べ方も色々。

お正月気分が抜けなくなります。

 

★      ★      ★

 

今の子どもたちって、スーパーで売ってる冷凍の四角く切ったおもちしか知らないんじゃないでしょうか。

町内でのもちつき大会なんかはまだ残ってるけど、一からもちつきをする家庭なんて少ないでしょうね。

 

14ひき総出であれだけ大変なんですから、核家族化が進んだ現代では、とてもとても。

でも、こんな絵本を読んでしまうと、やっぱり「やってみたい」となるのが人情です。

子どもにも経験させたい。

そんなわけで、何気なくネットで臼と杵の値段を調べてみて腰抜かしました。

 

冷凍おもち万歳。

便利だし、なかなかおいしいし。うん。

 

しかしながら、実は毎年少なからぬ人命(主にお年寄り)を奪う危険な食べ物でもあるおもち。

犠牲者の数からするとふぐより怖いのです。

気を付けましょう。

 

あれ、なんでこんな物騒な話になったんでしょうか。

ほっこりしたお正月絵本紹介のはずだったのに。

臼と杵が高すぎるからですかね。

 

新年早々、着地に失敗した感。

 

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≫絵本の紹介「14ひきのぴくにっく」

≫絵本の紹介「14ひきのかぼちゃ」

≫絵本の紹介「14ひきのさむいふゆ」

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆

おじいちゃん心配度:☆

 

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コメント

友人(日本語を母国語としない人)に代わっての質問です。「14ひきのもちつき」の3番目に載っている写真(左側のページ上方)で、2匹のネズミが並んで立って、手でおもちを練るような作業をしていますが、あれは何をしているのでしょうか。友人の3歳の娘の大好きな絵本なのだそうですが、これが何の作業なのかわからなくて、知りたいと言っています。私にもよくわかりません。おもちを広げているのでしょうか。ぜひ教えて下さるようお願いします。

  • 金村順子
  • 2020/09/30 05:37

>金村順子様

コメントありがとうございます。
指摘の箇所はおそらくテキストでは「もちとりこ まぶして のしている ごうくん はっくん」と書かれているシーンだと思われます。

「餅とり粉」とは、餅の表面にまぶすことで餅がくっつかないようにする粉です。
白玉団子やわらび餅などに使われるようです。

ご参考になれば幸いです。
ご友人の娘さんによろしくお伝えください。
またわからないことがあれば当店のメール宛てでも結構ですのでお気軽にどうぞ。

  • えほにずむ店主
  • 2020/09/30 12:51