【絵本の紹介】「ウィリーをすくえ! チム川をいく」【359冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

子年ということでねずみ絵本紹介してますが、いくらでもあります。

もう二冊くらいでいったん通常モードに戻ろうと思いますけど、この先も普通にねずみ絵本は出てくるでしょう。

色々考えたけど、これを紹介しておきたいと思ったので、ジュディ・ブルックさんの「ウィリーをすくえ! チム川をいく」を持ってきました。

作・絵:ジュディ・ブルック

訳:秋野翔一郎

出版社:童話館

発行日:2004年2月10日

 

実は私も知りませんでしたが、雰囲気から登場人物から、どうもシリーズものらしいと思って調べてみたら案の定、以前は「ゆうかんなティム・シリーズ」として冨山房から刊行されていた絵本でした。

現在は絶版となり、唯一このおはなしだけが童話館から発行されているのみです。

 

ストーリーも面白いし、何と言っても絵が素晴らしいと思うんですが、残念なことです。

シリーズの他作品は現在どれも入手困難です(お売りくださる方がいれば高価買取いたします!)。

 

(たぶん)イギリスの田園が舞台。

扉絵の美しく細緻な風景だけでもしばらく楽しめます。

 

主人公の「野ねずみのチム」と「はりねずみのブラウンさん」(なぜか「さん」付け)が川遊びしていると、ビンが流れ着きます。

中には手紙が入っていて、「かえるのウィリー」が助けを求める内容に、ふたりはびっくり。

どぶねずみの一味」にさらわれたというウィリーを救うべく、チム自作のいかだに乗って、ウグイの案内で川を下ります。

 

登場人物の説明が少なく、唐突な展開に感じますが、前述したようにもともとシリーズものですので、脳内補完してくだい。

片面カラー、片面モノクロの印刷なんですけど、本当に絵が楽しい。

小さなねずみたちにとっては、途中で出くわす牛やあひるも大変な難関。

やっとのことでどぶねずみたちの根城である「おもちゃの船」まで辿り着きます。

おもちゃと言い条、かなり高価なもののように見えますけど。

何しろ船室までしっかり作り込まれているのです。

 

どぶねずみたちは昼間は眠っており、その隙にチムとブラウンさんはどこかに閉じ込められているウィリーを探します。

今にも起き出しそうなどぶねずみたちの前を通り、ハラハラしながらチムはかえるのウィリーを見つけ出します。

幸いにもどぶねずみたちは目を覚まさず、チムはウィリーを救助します。

逃げ際にチムは船を岸につないでいるロープを噛み切っておきます。

 

船は流れに乗って川を下り始めます。

やつら、さぞ、びっくりするだろうな」。

 

チムたちは無事に家に帰り着き、盛大な歓迎を受けます。

一方、どぶねずみたちがどうなったかは、最後のカットで描かれます。

 

★      ★      ★

 

チムのいかだ、ドブネズミ一味の船、ウィリーのうち、どれも非常に細かく描かれていて、小物ひとつひとつが楽しいですね。

人間の村の描写、子どもたちや村人たちの行動も生き生きと感じられ、テキスト以上に雄弁です。

 

そのテキスト自体は割と長く、漢字も用いられ、冒険児童小説といった雰囲気があります。

川で拾ったビン詰めの手紙から始まる海(川だけど)の冒険、自分より巨大なものに囲まれても勇敢に切り抜ける痛快さ。

 

それらがありありと想像できるのは、やっぱり絵の力によるところが大きいでしょう。

こういう田舎の自然風景の中には、子どもの冒険心を駆り立てるものがたくさんあります。

 

都会でビンが流れててもねえ。

ただのゴミだし、汚いし……。

 

ぜひとも他の「ティム・シリーズ」も復刻してもらいたいと願っています。

 

推奨年齢:5歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

アニメ化できそう度:☆☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「ウィリーをすくえ! チム川をいく

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「00冊分の絵本の紹介記事一覧

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