2017.07.31 Monday
「エリック・カール展」に行ってきました。
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
美術館「えき」KYOTOで開催中のエリック・カール展へ行ってきました。
公式HP→「エリック・カール展」
チケットは一般が当日800円、前売り600円。
安いと思います。
開催初日ということもあり、なかなかの混雑でしたが、美術館内は広々としており、展示物はひとつひとつ近くでじっくり見ることができました。
●エリック・カールさんについて
カールさんは御年88歳。
写真などで見る限り、まだまだお元気そうです。
彩色した紙を切り取り、貼り合わせることで絵にするコラージュ手法が特徴的。
鮮やかで明るい色彩感覚が多くのファンを生んでいますが、カールさん自身の少年時代は、ヒトラー率いるナチスの政権下にある抑圧的なドイツで過ごされています。
ヒトラーは(他の独裁者同様)芸術を恐れ、弾圧していましたが、カールさんの高校時代の美術教師はカールさんの才能を見抜き、こっそり彼を自宅に呼んで、ピカソやマティス、クレーなどの作品の複製を見せてくれたそうです。
その出会いは衝撃的であり、後のカールさんの作品に大きな影響を与えたと本人が語っています。
美術館内の展示物は、「くまさんくまさんなにみてるの?」などに始まる過去の作品の原画と、絵本の習作(ラフスケッチのようなもの)、それに立体作品や舞台美術、ダンボールなどを使った前衛的な美術作品「天使」シリーズなど。
絵本だけに留まらないアーティストとしてのカールさんの仕事を知ることができます。
●巨匠レオ・レオニさんや日本との関わり
個人的に嬉しかったのは、少数ながらもレオ・レオニさんの作品展示もあったこと。
レオニさんは駆け出し時代のカールさんに仕事を紹介するなど、カールさんとは浅からぬ縁のある先輩です。
カールさんの絵本におけるコラージュは、レオニさんの影響によるところが大きいと思われます。
また、カールさんは日本とも繋がりが深く、あの有名な「はらぺこあおむし」を出版するにあたっては、印刷・製本は日本で行われていたのですね。
当時のアメリカでは、穴の開いた絵本の印刷はコストの面で敬遠されたという事情があったのです。
あの世界的ロングセラー絵本の誕生に、日本も大きく関わっていたと思うと、さらに親近感が湧きますね。
●オリジナルグッズと今後の巡回予定
グッズ販売コーナーでは、公式図録の他、缶バッジ、トートバッグ、ポップアップカードなどが陳列、どれも可愛いものばかり。
「ARIGATO」「DAISUKI」などの文字が入っているものも多かったです。
ちなみに、美術館がある伊勢丹7階のフロアにも、エリック・カール関連グッズ売り場が設けられています。
内容は別です。
今後の展覧会の巡回は、岩手県盛岡市、福島県いわき市の予定です。
↑また買っちゃった。
目を閉じて眠っているverもありました。
エリック・カールさんの作品紹介記事↓
レオ・レオニさんの作品紹介記事↓
■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「100冊分の絵本の紹介記事一覧」
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